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2018/1/20

ケアとソリューションフォーラム「ケアとテクノロジー」レポート

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ケアとソリューションフォーラム「ケアとテクノロジー」


2018年1月13日、渋谷の「FORUM8」にて開催された、ケアとソリューションフォーラム「ケアとテクノロジー」の様子をお届けします。

ケアとソリューションフォーラムは、一般財団法人住友生命福祉文化財団と一般財団法人たんぽぽの家の共催で行われており、今回はAIやロボットなどのテクノロジーと、これからのケアについて考え語りあうことがテーマでした。


基調講演 ロボットから見えてくる「人らしさ」


はじめに登壇したのは大阪大学栄誉教授の石黒浩氏。

「ロボットと未来社会」と題して、ロボットによってどのような未来社会が来て、私たちはどのようなことを学ぶのかという話をされました。



石黒浩氏は、これまでにヒューマノイドやアンドロイド、自身のコピーロボットであるジェミノイドなど多数のロボットを開発。ロボット工学の第一人者で、「マツコロイド」などテレビ番組でも有名です。

はじめにご自身の研究について、「人間にそっくりなロボットやアンドロイドを作ってしまうと、『アイデンティティとは何か?』とか『自分の感情や存在って何か?』など、それらについて非常に深く考えてしまう。これがすごいおもしろいところ」と話しました。

そして、人間型にこだわる理由については、「人間にとって、もっとも関わりやすいものは人間」と述べ、「人間の脳は、人の顔を認識したり、人の声を聞くために作られている。人は人を認識する脳を持つ」と説明しました。

また過去に人間が生み出してきた電化製品などの発展の経緯から、「否が応でも、いろいろなものはすべて人間らしくなる。どんなに気持ち悪がっても人間らしいものは必ず受け入られる。なぜなら、そのほうが人間の脳にとって楽だから」と石黒氏は述べます。

講演の後半では、存在感や対話についても話します。石黒氏は、人とロボットの対話の研究から、「対話とはストーリーを共有することであって、必ずしも音声認識をすることではない」と言及します。そして、「対話とは何かを本質的に考えると、色んな使い道、ロボットの実用的な使い方が見つかるのでは」と思いを述べました。

また、「インターネットの世界はとても便利だが、ちょっと現実から逃避しているようなところがある。しかし、ロボットはインターネットから現実に引き戻してくれるような効果があるのでは」と言います。

最後に石黒氏は、「ロボットの研究とは、人を理解して、人と人を繋ぐ研究」と言い、話しを締めくくりました。





次に登壇したのは、株式会社テレノイド計画代表取締役の宮﨑詩子氏。

「ロボットと暮らす新しい介護の形」というテーマで、ご自身の家族介護の経験をベースに作られた教育プログラム「テレノイドケア」ができるまでの経緯から、実際にどのような形でテレノイドが介護の現場で使われているかを話しました。

「テレノイドケア」は、テレノイドを活用しながら高齢者の方の能力に合わせて会話をします。1回の会話は数分でも良いとのこと。

また「テレノイドケア」は、チームケア・チームワークを学ぶ研修でもあり、その時にそれぞれの視点が集合することが大事だと述べました。

宮﨑氏は、「私はこのテレノイドケアを通して、人の心を理解するプロを育てていきたい。そして、介護職としての現場経験が、他の業界から必要とされる時代をつくりたい」と、最後に強く思いを述べました。





続いて「『人らしいケア』とは何か?」をテーマに、基調講演の二方と臨床哲学者の西川勝氏の鼎談になりました。



事例報告


休憩を挟み、「これからのケアを生みだす人間の技術」と題して、事例報告。



■人と人をつなぐロボット OriHime[オリヒメ]
吉藤健太朗氏(オリィ研究所 代表)

呼吸器をつけていて喋れない人や精神的な理由で学校へ通えない人などにとって分身ロボット「OriHime」は、もう一つの身体として機能し、家族や友人と日常生活を共有することができます。

吉藤氏は、人とロボットだけでなく、その先にある人と人の関わりを生み出すロボットの可能性について話しました。




■未来を考えるケアのデザイン
小林さおり氏(株式会社さわやか倶楽部 ケアマネージャー)

小林氏は、介護の現場に「デザイン」の発想を取り込み、「ライフマップ」を生み出しました。

「ライフマップ」は、施設入居者の幼年期から青年期、仕事や趣味、家族、友人などの人生を共有することで、これからのケアプランではなく、人生設計を入居者とケアマネジャーが一緒につくることができるツールだと述べました。




■助けあう・寄りそう仕組みづくり
江口八千代氏(NPO法人ファミリーハウス 理事長)

江口氏が理事長を務める「ファミリーハウス」は、小児がんなどの難病治療のために、地方や海外から大都市の病院に来ている子どもと、介護する家族の精神的・経済的負担を少しでも軽減するため、ボランティアの力を結集して1991年に設立しました。

江口氏は、「ファミリーハウス」の実践を通して、安定した気持ちで大切な人に寄りそえる継続的な仕組みづくりについて説明しました。



介護ロボット・機器の展示


最後に一部だけですが、展示されていた介護ロボットなどの様子です。


「PaPeRo i(パペロアイ)」 NECプラットフォームズ



「OriHime」 オリィ研究所



「テレノイド」 テレノイド計画



「Kibiro(キビロ)」 FRONTEOコミュニケーションズ



「ブンネ・メソッド」 Bunne Japan